抗血栓療法を受けられている患者様

2016年3月25日

抗血栓療法とは

いわゆる血液をサラサラにする治療法のことです。血管が詰まるこ

とで発症する疾患(ここでは原疾患と呼びます)を予防、あるいは

治療することを目的に行います。

 

原疾患には下記のようなものがございます。

 

  • 心筋梗塞、狭心症
  • 心房細動
  • 脳梗塞
  • 肺血栓塞栓症
  • 深部静脈血栓症
  • ほか

 

抗血栓療法を受けている患者様の歯科治療について

1.患者様ご自身の判断でお薬の内服を中止しないでください。

 

最新のガイドラインによれば、「原疾患がコントロールされており、

抗血栓療法が適切に施行されている患者においては、適切な止血処

置を行えば、抗血栓療法継続下に抜歯を行っても、重篤な出血性合

併症は起こらない」とされています。つまり抜歯のために抗血栓薬

は中止しないことが推奨されています。

症例によっては止血しにくいこともあり得ますが、その場合にも出

血多量で大きな問題になることはないと思われます。健常者の場合、

献血において400ml採血されますが、歯科外来で行う一般的な治療

においてそれだけ出血することは考えられません。

一方、抗血栓薬を中止することで血栓ができると、原疾患が再発ま

たは悪化して、深刻な事態を招く可能性があります。

リスクを考えれば、抗血栓薬は中止しない方が得策です。

 

2.医科主治医から休薬の指示があっても、すぐにやめないでください。

 

原疾患の状態と、歯科治療の侵襲によっては、やはり休薬をするこ

ともあり得ます。

抗血栓薬の種類によって、何日間休むべきかが違います。予め休薬

して歯科を受診しても、都合よくその日に処置ができるとは限りま

せん。休薬の期間は短いほうがリスクが低いといえます。

抗血栓薬の休薬は、医科主治医よりも、担当する歯科医師の指示に

従っていただくのが良いかと思います。歯科医師は当然医科主治医

に病状を確認した上で休薬の指示を出します。

 

3.原疾患が安定していない場合とは

 

例えば心筋梗塞を発症して6か月以内などの状態をさします。この

場合には、待機可能な侵襲的な治療は避けるのが普通です。

 

4.病院歯科か、一般開業歯科医院か

 

基礎疾患をお持ちの患者様は、病院歯科を紹介されることがしばし

ばあるかもしれません。治療を担当する歯科医師に必要な要件は、

お薬のマネージメントと、止血処置ができるか、そして危険を予知

できるか、という点に集約されます。病院歯科の場合には医科との

連携がスムーズで、緊急時には時間外も対応してもらえる良さがあ

ります。

原疾患の重症度によりますが、外来通院で日常生活を普通に過ごさ

れている患者様におかれましては、一般開業歯科医院でも十分安全

に治療が可能と思われます。

 


Posted by 越谷市 歯医者 痛くない治療 口腔外科 ひろ歯科医院 無痛治療 at 16:03 / ブログ

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