2016年2月26日
メタルコアの除去について
歯を保存するための最後の砦、根管治療を行う際、たびたび必要な
のがメタルコアの除去という工程です。
メタルコアとは、かぶせ物を作るに先立ち、歯の欠損をある程度補
うことを目的に作られる、いわゆる土台です。金属製のものがメタ
ルコア、他にレジンコアなどがあります。
歯根に挿入された太くて長い金属の塊、これを除去するのは困難な
ことが多いのですが、これができないことには根管治療が始まりま
せん。
ではどのように除去するのでしょうか。
1.とにかく削る
これは最もしてはいけない方法です。削る量と、それに要する時間は
比例します。硬い金属を削るためには大変な時間がかかります。深い
部分はバーが届かないこともあります。そもそも歯を削るバーは、先
端はほとんど削れない構造になっています。いつまでたっても除去で
きない、という事態になりがちです。
2.分割して、強い振動で弱らせ、塊として除去する
これが標準的な方法です。1.の場合と比べると、金属を削る量が
少ないために、時間は短くなります。ただし分割は正確にしなくて
はいけません。超音波で強い振動を与えて、セメントを破壊するこ
とで、金属を塊として除去します。
この方法でも時間がかかることが多く、患者様にとっては不快な治
療になると思われます。これをもって「治療が荒い」と思われるこ
とがありますが、それに代わる方法がないので、これについてはや
むを得ない部分があります。
ちなみに当院で被せ物の治療を行う時は、メタルコアでなくレジン
コアで治療することが多いです。製作時の通院回数が1回減らせる
こと、再治療が必要な時、除去することが比較的容易であることな
どがその理由です。
Posted by 越谷市 歯医者 痛くない治療 口腔外科 ひろ歯科医院 無痛治療 at 14:19 / ブログ